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亡くなった親族が連帯保証人だった! 相続発生時に行うべき調査

2023年03月14日
  • その他
  • 連帯保証人
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亡くなった親族が連帯保証人だった! 相続発生時に行うべき調査

宮崎市が公表している人口動態の統計資料によると、令和2年の死亡者数は4137人でした。他の年度でも、宮崎市内では4000人前後の方が亡くなられております。

遺産相続では、現金・預貯金や不動産といったプラスの財産だけでなく借金や負債といったマイナスの財産についても相続の対象になります。そのため、相続が発生した場合には、相続財産調査によって借金や負債の有無を十分に調べなければ、被相続人に代わって相続人が多額の借金を背負わなければならなくなるなどのデメリットが生じるおそれがあるのです。

本コラムでは、亡くなった親族が借金の連帯保証人であったことが判明した場合の対処法について、ベリーベスト法律事務所 宮崎オフィスの弁護士が解説します。

1、相続発生時には必ず財産調査を!

相続発生時には、迅速に相続財産調査を行う必要があります。
以下では、財産調査が必要である理由と、財産調査の方法について説明します。

  1. (1)財産調査が必要な理由

    相続財産調査が必要な理由としては、主に以下の2つの理由が挙げられます。

    ① 遺産分割協議のため
    被相続人が死亡して相続が発生した場は、被相続人の遺産は、相続人間で分割することになります。
    遺産分割をするためには相続人全員で遺産分割方法などを話し合って決める必要がありますが、その前提として、被相続人がどのような財産を所有していたのかを把握する必要があります。遺産の内容が不明確な状態では、誰がどのような財産を取得するのかを話し合うことができないからです。
    また、遺産に漏れがあった場合には、再度遺産分割協議を行わなければならない可能性もあり、時間と労力が無駄になってしまいます。
    そのため、遺産分割協議をする際には、前提として相続財産調査を行っておくことが必要不可欠となるのです

    ② 相続放棄・限定承認の判断をするため
    相続人が相続をする遺産は、現金・預貯金、不動産、有価証券といったプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も相続の対象になります。
    「借金を相続したくない」と考えた場合には、相続放棄や限定承認といった手続きをとることによって借金の負担を免れることができますが、これらの手続きは、「相続開始を知った時点」から3カ月以内に行わなければなりません。
    また、期限内であっても、遺産分割の手続きを行ってしまった時点で「単純承認した」とみなされて、相続放棄や限定承認を行うことができなくなってしまうことがあります。

    特に被相続人が借金をしていたり借金の連帯保証人であったりした場合には、十分な相続財産調査をすることなく遺産分割の手続きを進めてしまうと、多額の借金を負担しなければならない事態に追い込まれてしまう可能性もあるため、注意が必要です

    ③ 相続税申告のため
    相続財産が相続税の基礎控除を上回る場合には、相続税の申告が必要になります。
    なお、相続税の基礎控除の計算式は、「3000万円+相続人の人数×600万円」です。

    相続税の申告が必要であるかどうかは、相続財産調査を行わなければ、正確に判断することができません
    十分な相続財産調査を行わず、相続税申告が必要であるにもかかわらずそれを怠ってしまうと、延滞税などのペナルティーが課されたり、有利な特例を適用することができなくなったりしてしまうので、注意しましょう。

  2. (2)財産調査の方法

    相続財産の種類によって、財産調査の方法は異なってきます。
    以下では、代表的な相続財産を例にしながら、財産調査の具体的な方法について説明します。

    ① 預貯金
    被相続人の預貯金の有無については、各金融機関に問い合わせることによって明らかにすることができます。
    まずは、被相続人の預金通帳やキャッシュカードを探して、その金融機関に預貯金口座の有無と残高を問い合わせてみましょう。

    ② 不動産
    被相続人が所有している不動産が判明しているのであれば、法務局で該当する不動産について、登記事項証明書を取得しましょう。
    被相続人が所有している不動産が判明していない場合には、市区町村における名寄帳(固定資産課税台帳)を取得することで、当該市区町村に存在する被相続人名義の不動産を明らかにすることができます。

    ③ 株式の調査方法
    被相続人の自宅に証券会社からの取引残高報告書などがあれば、被相続人の保有していた株式を把握することができます。
    被相続人が保有していた株式が不明であるという場合にも、証券保管振替機構に対して登録済加入者開示請求をすることによって特定することができます。

    ④ 借金の調査方法
    被相続人の自宅に借用書や督促状などがあれば、そこから被相続人の借金を把握することができます。また、預金通帳に返済の履歴が記載されていれば、そこから把握することもできます。
    さらに、消費者金融や銀行からの借金の場合には、信用情報機関に借入状況の開示請求をすることによって、借金の有無がわかる場合があります。具体的には、クレジット会社の債務はCIC、消費者金融の債務は日本信用情報機構(JICC)、銀行の債務は全国銀行協会に照会をします。ただし、照会から回答までには一定の期間がかかりますので、早めに行動するようにしましょう

2、亡くなった方が連帯保証人になっていた場合

亡くなった方が連帯保証人になっていた場合に、相続にもたらされる影響について解説します。

  1. (1)連帯保証人の地位も相続の対象

    ① 賃貸借契約の場合
    アパートやマンションを借りる際には、連帯保証人が要求されることがあります。
    賃貸借契約における連帯保証人は、賃貸契約から生じる一切の債務について、主債務者である借主と連帯して保証する責任を負います。そのため、賃借人が家賃を滞納していた場合には、債権者である賃貸人から未払い賃料の請求を受けることがあるのです。
    そして、賃貸借契約の連帯保証人が死亡したとしても、保証契約は終了しません。連帯保証人の地位は、相続人に相続されることになります。

    ② 住宅ローンの場合
    金融機関から住宅ローンを借り入れる際には、連帯保証人が要求されることがあります。
    主債務者が毎月の住宅ローンの支払いを怠った場合、金融機関は、担保にとっていた土地および建物を競売によって売却して、住宅ローンの支払いに充てます。それでも足りない分については、金融機関または保証会社から住宅ローンの連帯保証人に請求がいくことになります。
    そして、住宅ローンの連帯保証人が死亡したとしても保証契約が終了することはないため、連帯保証人の地位は、相続人に相続されることになります

  2. (2)連帯保証債務は相続割合に応じて相続される

    相続人が被相続人の連帯保証人の地位を相続したとしても、基本的に、ひとりの相続人が連帯保証債務の全額を支払う責任を負うわけではありません。連帯保証債務は、各相続人の相続割合(法定相続分)に応じて分割されます。つまり、相続人は、それぞれに分割された連帯保証債務の支払義務のみを負うことになります。

    たとえば、2000万円の連帯保証債務を配偶者と2人の子どもが相続したとします。配偶者の法定相続分は2分の1、子どもの法定相続分はそれぞれ4分の1ずつです。したがって、配偶者が1000万円、子どもがそれぞれ500万円ずつの連帯保証債務を相続することになるのです。

3、連帯保証人契約を相続したくないときとれる方法

被相続人が連帯保証にであった場合には、以下のような方法をとることによって、連帯保証債務の負担を免れることができる可能性があります。

  1. (1)相続放棄

    相続放棄とは、一切の相続をしないことを、裁判所に申し立てる手続きのことです。
    相続放棄を行うと、相続人は「初めから相続人ではなかった」ことになります。したがって、借金などのマイナスの財産も相続せずに済みますが、現金・預貯金といったプラスの財産についても相続することもできなくなる点に注意してください。
    連帯保証債務についても相続財産に含まれますので、相続放棄をすることによって、連帯保証契約から生じる一切の債務についても相続する必要はなくなります。

    相続放棄は、相続開始を知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければ、それ以降は一切行うことができません
    期限が短いため、相続が発生した場合には、速やかに相続財産調査を行い、相続放棄をするかどうかの判断をする必要があるのです。

  2. (2)限定承認

    限定承認では、相続放棄とは異なり、相続人はプラスの財産とマイナスの財産をすべて相続することになります。しかし、プラスの財産の範囲内でしかマイナスの財産を返済する責任を負わなくてよい、という違いがあるのです。
    プラスの財産がマイナスの財産を上回った場合には、プラスの財産でマイナスの財産を清算して、残った財産を相続することができます。これに対して、マイナスの財産がプラスの財産を上回った場合には、プラスの財産でマイナスの財産を清算して、残ったマイナスの財産については責任を負う必要がなくなるのです。
    限定承認は、自宅を残したいという場合や被相続人の事業を継続したいという場合に利用される手続きです。ただし、限定承認をするためには、相続人全員の同意が要件となります。一人でも限定承認に反対をしている相続人がいる場合には、利用することができないのです
    また、限定承認をする場合にも、相続放棄と同様に3カ月という期限がある点に注意してください。

4、弁護士に相談すべきケース

以下のようなケースに該当する方は、早めに弁護士に相談をすることをおすすめします。

  1. (1)相続財産調査に不安があるとき

    相続が発生した場合には、できる限り早く、相続財産調査に取りかかることが必要となります。相続財産が多岐にわたる場合には、相続財産調査にも時間がかかりますので、早めに取りかからなければ相続放棄や限定承認の期限に間に合わなくなるリスクがあるためです。

    相続手続きに不慣れな方の場合には、どこに問い合わせをすればよいのかがわからず、すぐに時間が過ぎて期限が迫ってしまうこともあります。正確かつ迅速な相続財産調査を行うためには、弁護士に任せるのが安心です

  2. (2)相続放棄・限定承認を検討しているとき

    相続放棄や限定承認を検討している場合には、法定単純承認に該当しないように行動をしなければなりません。相続開始後に預貯金の払い戻しをしたり、債務の支払いをしたりすると、法定単純承認とみなされて相続放棄や限定承認ができなくなるリスクがあります。

    弁護士に相談をすることによって、「どのような行動が危険なのか」についてアドバイスを得ることができます
    また、相続放棄や限定承認の手続きについても弁護士に依頼をすることで確実に進めることができます。手続きに不安のある方は、ぜひ、弁護士をご利用ください。

  3. (3)遺産分割で争いがあるとき

    相続財産調査を行い、相続をすると決めた場合には、相続人全員で遺産分割方法を話し合わなければなりません。
    スムーズに遺産分割協議が進めばよいですが、遺産の分割方法や評価でもめるおそれもあります。

    当事者同士では、どうしても感情的になってしまって、スムーズに話し合いを進めることは難しいものです。そのような場合には弁護士を協議に参加させましょう。弁護士であれば、相続人の代理人として遺産分割協議を進めて、法律の専門家としての知識をいかしながら妥当な解決方法を見いだすことができます。

5、まとめ

被相続人が連帯保証人であった場合には、相続によって連帯保証人の地位も相続人に引き継がれることになります。
高額な負債の連帯保証人になっているような場合には、相続放棄や限定承認を検討する必要がありますので、早めに弁護士に相談をすることをおすすめします。
相続についてお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所 宮崎オフィスにまで、お気軽にご相談ください

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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